2010年05月の記事一覧

杉並区立16保育園の評価結果

 

当社が担当させて頂いた平成21年度の杉並区立16保育園の評価結果が、区のホームページ上でまとまった形で公開されています。総ページ数623、前半が保護者アンケートの分析、後半が評価結果報告書という構成です。ご関心をお持ちの方は、リンク先をご覧下さい。

理念、理念、理念~「良き何か」に向かうということ

ちょっと感動を覚えてしまったので、某国の新首相の会見を抜粋します(非常にクリアな英語です)。

連立を組むことになった経緯を述べた後、次のように述べます。

2:08~

“I believe that is the right way to provide this country with the strong, stable, good and decent government that I think we need so badly.”

「これ(=連立を組むこと)こそが、我々が本当に必要とする政府―強く、安定的で、良き、真っ当な政府―をこの国にもたらすための、正しい方法なのです。」

さらに演説は続きます。

2:19~

“Nick Clegg and I are both political leaders who want to put aside party differences, and work hard for the common good and for the national interest. I believe that is the best way to get the strong government we need, dicisive government we need today.”

「(連立を組む)政党間の相違はひとまずわきにおき、共通善と国益のために頑張りたい―(保守党党首の)ニックと私とは、ともにそのように考える政治家です。これが、我々に必要な強い政府、今必要な決定力のある政府を作る最善の方法なのです。」

ここには、進むべき方向性が不明瞭なスローガンは出てきません。あるのは、goodであり、decentであり、the common goodです。

より良いもの、崇高なものに向かうこと―このことこそが、個人であれ、人の集団である組織であれ、健全でありうる、あるいは、少しでも真っ当でありうるための源泉なのかもしれません。この意味で、昨年度関わりを持たせて頂いたとある認証保育所は、誠に誠に良い例でした。

「○愛」、「反○○」、「○新」・・・、理念の出番なき劇というものは、役者を醜くしてしまうもののようです。

goodや、decent、the common goodといった言葉がなんの躊躇もなく、澱みもなく出てくること。

どんなに荒廃した時代でも、健全な精神はこんなところで顔を見せてくれます。

なんだか救われた思いがすると同時に、彼の国をうらやましくも思う今日この頃です。

※“decent(ディーセント)”とは、語源的には “decet=fitting=ぴったりの、適当な、ふさわしい”であり、第一義的には「きちんとした」の意。では、何を基準に判断して「きちんと」しているのかといえば、decentが「道徳にかなった」との意味も持つことを考え合わせると、「価値の体系としての常識(良識)を基に判断すると、きちんとしている」ということだと解釈できます。